この記事をご覧になっている方は、これからクワガタ飼育を始めることを検討している方、もしくクワガタ飼育を始めて間もない方だと思います。この記事ではそのような方々に向けて、「そもそもクワガタはどのような生き物なのか?」「クワガタにはどのような種類がいるのか?」について話を掘り下げた上で、「クワガタ飼育の全体の流れと基本的な注意事項」について紹介いたします。これまで私は、国産ノコギリクワガタ/ミヤマクワガタ/ホペイオオクワガタ/ギラファノコギリクワガタなどなど多種類のクワガタの飼育経験がありますので、是非安心して記事をご覧になってください。この記事を最後までご覧いただいた方には、以下のことがわかるようになります。
わかること
- クワガタの生体について(クワガタの一生は?、生息環境は?、何を食べるの?)
- クワガタの種類について
- クワガタ飼育の全体の流れと基本的な注意事項について
それでは、一つ一つ丁寧に説明していきましょう。
クワガタの生態について
クワガタの一生は?
クワガタには大きく4つの段階があります。1つ目は「卵期」、2つ目は「幼虫期」、3つ目は「蛹期」、4つ目は「成虫期」です。まずは、卵期について説明します。クワガタは交尾をした後、発酵した土の中もしくは朽ち木に卵を産み落とします。クワガタの♀は卵が孵化するために適した環境(温度、湿度)であるかを見極めながら卵を産み落とします。そのため、飼育環境下で卵を保管する際は、温度と湿度の管理が非常に重要になります。クワガタの種類によりますが、卵はおおよそ2週間~1か月で孵化します。国産種で言えば、ミヤマクワガタは卵の孵化までに時間を要する場合が多く、1か月以上もかかることがあります。
次に幼虫期について説明します。クワガタの幼虫は朽ち木や発酵した土の中で、11か月程度過ごします。幼虫は卵から孵化した直後は1令幼虫とよばれ、頭と体は非常に小さいです。孵化してから2週間~1か月程度経過すると、脱皮をして頭と体が一回り大きくなります。これを2令幼虫と呼びます。さらに、1か月が経過してもう一度脱皮すると3令幼虫となり、頭と体がさらに一回り大きくなります。3令幼虫になった後は、脱皮はせずに次の蛹期に向けて、朽ち木や発酵した土をもぐもぐ食べながら栄養を蓄えていきます。
次に蛹期について説明します。3令幼虫の体色が黄色くなるのが、蛹になる合図です。そうなると、幼虫は自身のフンを使いながら蛹室と呼ばれる部屋を作り始めます。部屋が出来上がったら、脱皮をし、図のような蛹の状態になります。この時は、我々が馴染みのあるクワガタになるために体を固めている段階になりますので、そっと見守ることが重要になりますので注意しておきましょう。絶対に触らないことが重要です。
最後に成虫期について説明します。蛹となり、体がかたまったら、最後の脱皮をして成虫となります。これを羽化と言います。羽化後は1か月~2か月程度蛹室の中でジッとしております。その理由は、羽化直後はまだクワガタの体内部が固まっていない状況だからです。この期間を休眠期間と言います。休眠終了の合図は非常にシンプルで、クワガタが自分で土の上に上がってきたら休眠は終了!ということになります。そうなると、ようやくエサを食べ始めて活動し始めます。活動期間はクワガタの種類によって大きく異なりますので、以下に種類別の活動期間を示します。
6か月活動するクワガタ | 1年以上活動するクワガタ |
ノコギリクワガタ | オオクワガタ |
ミヤマクワガタ | コクワガタ |
ヒラタクワガタ |
クワガタの種類によっては土の中に潜り、寒い冬を越すものもいます。これを越冬と言います。基本的には、寿命が1年以上あるクワガタは越冬をします。クワガタ飼育をする上で、必ずしもクワガタを越冬させないといけない訳ではありませんが、越冬中はエサも食べずにスリープモードに入るため、エサ代の節約にもなりますし電気代の節約にもなりますので、私は越冬できる成虫は越冬させています。
以上がクワガタの一生になります。このように、もし幼虫から飼育される方はおおよそ2年間飼育することになります。成虫の飼育でも6か月以上飼育することになりますので、クワガタ飼育を始められる方は、長期間責任をもって飼育する覚悟が必要になります。
クワガタはどこに生息しているの?
クワガタは主に、湿度の高い広葉樹林(クヌギ、コナラ等)の中に生息しております。クワガタは夏に活発に動き回る虫であるため、良く高温に強い生物だと勘違いされがちですが、30度以上の高温には耐えられません。自然界のクワガタは、熱い昼間には木の隙間や落ち葉の下に隠れており、涼しい夜間に活発に行動します。つまり、直射日光・高温に弱い生物です。よって、飼育する際は25度以下で直射日光に当たらない場所で飼育するようにしましょう。特に、ミヤマクワガタは”標高が高く、深い山”に生息しているため、高温に非常に弱い種類です。そのため、ミヤマクワガタを飼育される方は22℃以下で飼育できる環境を整えてあげる必要があります。国産クワガタの代表的なものを例に、以下に飼育温度をまとめます。
22℃以下 | 25℃以下 |
ミヤマクワガタ | オオクワガタ |
コクワガタ | |
ヒラタクワガタ | |
ノコギリクワガタ |
また、クワガタは乾燥にも弱い生物です。乾燥した飼育環境下で飼育すると、生殖機能を失ったりします。よって、飼育する際は定期的に霧吹きをし、適度な湿度を保ってあげる必要があるので注意しておきましょう。
クワガタは何を食べるの?
まずは、成虫の食べ物について説明します。成虫は、主にクヌギ・コナラの樹液をエサとして食べます。樹液には糖分(グルコース、トレハロースなど)、タンパク質および発酵産物(エタノール、グリセリン、酢酸など)が含まれているため、飼育をする際もこれらがしっかりと含まれている昆虫ゼリーを選ぶようにしましょう。
次に、幼虫の食べ物について説明します。幼虫は朽ち木や発酵した土の中に生息し、それらをエサとして食べます。特に、朽ち木はキノコの菌が付着しているものを好んで食べます。よって、幼虫を飼育する際は”菌糸”もしくは”発酵した土”を使用するようにしましょう。しかし、ミヤマクワガタの幼虫のように、種類によってはキノコの菌を消化できないものもいますので、幼虫の食性に合わせてエサは選ぶようにしましょう。
クワガタの種類について
クワガタには「低温種」と「そうでない種類」がいます。低温種とは飼育温度を22℃以下で管理しなければいけない種類になります。以下に、代表的なものを挙げます。
18℃~22℃ | 22℃~25℃ |
ドンキエールコクワガタ | スマトラオオヒラタ |
ネパールコクワガタ | パラワンオオヒラタ |
ウオードコクワガタ | ダイオウヒラタ |
ラティオキナティブスコクワガタ | アルキデスヒラタ |
ウエストウッディオオシカクワガタ | 本土ヒラタ |
ヨーロッパミヤマクワガタ | スジブトヒラタ |
ウェムケンミヤマクワガタ | ダイトウヒラタ |
ロンドンミヤマクワガタ | ヒマラヤコクワガタ |
国産ミヤマクワガタ | 本土コクワガタ |
ミクラミヤマクワガタ | ヤエヤマコクワガタ |
アマミミヤマクワガタ | 国産オオクワガタ |
アザンブレイクビボソツヤクワガタ | シェンクリングオオクワガタ |
アンタエウスオオクワガタ | ホペイオオクワガタ |
グランディスオオクワガタ | |
ムシモンオオクワガタ | |
ギラファノコギリクワガタ | |
本土ノコギリクワガタ | |
トカラノコギリクワガタ | |
ニジイロクワガタ |
表を見てわかる通り、低温種にはミヤマ系のクワガタがずらっと並んでいることがわかります。すなはち、ミヤマ系のクワガタを飼育する際は、22℃以下の環境を整えるために、ワインセラーやエアコンを駆使しなければならず、ランニングコストや初期投資が大幅にかかることを覚悟しなければなりません。
クワガタ飼育の流れと注意事項
ペアリング(交尾)
クワガタは♂♀が交尾をすることで、♀が産卵できる状態になります。このように、飼育環境下で♂♀を交尾させることを”ペアリング”と言います。もし、クワガタを飼育していて、♀に産卵させたい時にはペアリングが必要になる場合が多いです。例外として、野外で採集したクワガタの♀は自然界で交尾済みの場合が多いため、ペアリングは必須ではありません。そのため、自身が飼育しているクワガタが「野外採集品であるかどうか」をまず確認し、ペアリングが必要な場合のみ、実施するようにしましょう。
やみくもにペアリングをすることはおすすめしません。なぜなら、♂が♀を挟んでしまい、♀の寿命を縮めてしまうリスクをはらんでいるからです。その他にも、交尾をすることにより、体力を消費してしまい、♂♀双方の寿命を縮めてしまったりします。これらのリスクを鑑みて、ペアリングを実施するかどうかを決めることが重要です。より詳細にクワガタのペアリングについて知りたい方は下の記事をご覧ください。
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産卵環境の構築
クワガタには「土に卵を産みやすい種類」と「朽ち木に卵を産みやすい種類」がいます。そのため、卵を確実に得るためには、クワガタの種類に応じて産卵しやすい環境を整えてあげることが重要になります。土に産みやすい種類の場合は「土の水分量」「飼育ケースに土を詰める固さ」「飼育温度」が重要になります。一方で、朽ち木に産みやすい種類の場合は「朽ち木の水分量」「飼育温度」が重要になります。より具体的な産卵セットの組み方や必要な飼育用品を知りたい方は、以下の記事をご参照ください。クワガタの種類ごとに最適な産卵セットの組み方を図解を用いてわかりやすくまとめております。
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卵の管理
クワガタが産卵した後は、卵を回収する作業に入ります。それを「産卵セットの割り出し」と言います。産卵セットの割り出し方法はクワガタの種類によって異なりますが、基本的には卵を直接触れずに、卵をつぶさないようにそっと回収することが重要になります。より具体的な産卵セットの割り出し方法や必要な用品について知りたい方は、以下の記事をご参照ください。クワガタの種類ごとにわかりやすくまとめております。
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卵期を保管する際は、基本的には「温度」と「水分量」に気を付ける必要があります。温度は成虫の飼育温度で管理しておけば十分です。水分については、産卵木で管理している場合は特に何もする必要はありません。一方で、マットで保管している場合は、表面が乾かないように定期的に霧吹きをしてください。卵の管理に必要な用品や、より具体的な飼育方法を知りたい方は以下の記事をご参照ください。
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幼虫の管理
幼虫を管理する上で重要なことは4点あります。
1つ目はクワガタの種類に応じて最適なエサを選ぶことです。例えば国産オオクワガタは食性が強いため、朽ち木でも消化吸収できるのに対して、ミヤマクワガタは朽ち木がボロボロになった土状のものしか食べることができません。そのため、幼虫の食性に応じて、最適なエサを準備することが重要になります。
2つ目は温度管理です。クワガタの幼虫は18℃以下の環境で常時飼育してしまうと幼虫のまま生涯を終えてしまいます。それを通称”セミ化”と呼びます。一方で25℃以上で飼育してしまうと、エサを十分に食べて栄養を蓄える間もなく羽化してしまいます。これを”早期羽化”と言います。そのため、基本的には20℃~22℃の間で管理することが重要になります。
3つ目は定期的なエサ交換です。エサは時々刻々と劣化が進むものです。そのため、最低限1回/3か月の頻度で交換してあげる必要があります。このエサ交換を怠ると「粘菌(幼虫が食べると亡くなる菌)」や「雑虫(ダニ等)」が発生してしまい、幼虫を痛めつける可能性があります。
4つ目は飼育ボトルで個別管理することです。個別管理する理由としては2つあります。1つ目は幼虫同士がかみ合わないようにすること。もう1つは、個別に温度管理やエサを変えやすくして、大型のクワガタを育てられる確率を上げるためです。
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蛹の管理
蛹期は「温度管理」と「衝撃を与えないこと」に注意をしましょう。温度は、成虫の飼育温度と同じ飼育温度をキープするように注意をし、そっと見守りながら羽化するのを待ちます。
以上より、幼虫管理の注意事項についてまとめると、以下の通りになります。
成虫の管理
まずは、休眠中の管理についてです。羽化してから1か月~2か月は飼育ケースの中にたっぷりと加水済みの生体管理用のマットを入れて保管をします。その際、飼育温度は成虫を管理する温度に保ち、定期的に霧吹きをしてあげましょう。休眠中の成虫の管理に必要な用品や、より具体的な飼育方法を知りたい方は以下の記事をご参照ください。
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まとめ
それでは最後に、この記事の要点を以下にまとめます。
クワガタの生態について
- クワガタは「卵期」「幼虫期」「蛹期」を経て、成虫になる
- 卵は1か月程度で孵化をするが、適切な湿度・温度が保たれていないと孵化しない
- 幼虫は朽ち木や発酵した土をエサとして成長する。脱皮を繰り返して1令~3令幼虫まで成長する
- 蛹期はそっと見守ることが大事
- 成虫は羽化してから1~2か月は土の中でじっとする。これを休眠と呼ぶ
- 休眠が明けたサインは土の上に出たかどうか
- 休眠があけたら、エサを食べ始める
- 1年以上生きるクワガタは冬を越すことができる。これを越冬と呼ぶ
- クワガタは樹液をエサとしており、樹液に含まれる成分が網羅されている昆虫ゼリーを選ぶことが重要
クワガタ飼育の基本的な注意事項
- 「♂が♀を挟んでしまうリスク」や「交尾による寿命短縮リスク」を鑑みて、ペアリングするかどうかを決めること
- クワガタの種類に応じて産卵しやすい環境を整えてあげて、確実に卵を得られるようにすること!
- クワガタの卵は直接手で触れずに、そっと回収すること!
- 卵を管理する際は「水分」と「温度」に注意!
- 幼虫を管理する際は「最適なエサ選び」「温度管理」「定期的なエサ交換」「個別管理」をすることに注意!
- 蛹を管理する際は「温度」と「衝撃を与えないこと」に注意!
- 休眠中の成虫の管理をする際は、加水済みの成虫飼育用のマットをたっぷりと入れて、温度管理を徹底すること!
- 休眠明けの成虫の管理をする際は、「温度」と「湿度」以外に、エサの交換も徹底すること!
- 越冬中の成虫の管理をする際は、加水済みの成虫飼育用のマットをたっぷりと入れて、15℃以下がキープできる部屋に保管すること!
これで、あなたもクワガタ飼育の基礎知識が付き、より詳しいクワガタ飼育方法が知りたくなったはずです。
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