
クワガタの幼虫飼育意が初めてで、そもそも管理方法がよくわからない...
クワガタを狙ったサイズにするための基本的な考え方が知りたい!

そのような方に向けて、クワガタの基本的な管理方法について、詳しく解説いたします。
私は常時クワガタを8種類、幼虫を100頭以上飼育しており、日々クワガタのブリード経験を積んでおりますので、安心して記事をご覧になってください。具体的な飼育種が気になる方は私のプロフィールをご覧ください。
結論、クワガタの幼虫を育てる際、以下の事に注意すれば完璧です!
まとめ
- ノコギリ系、ヒラタ系、オオクワ系、コクワ系、ミヤマ系それぞれの食性に合ったエサを選ぶこと!
- 温度管理は1令幼虫期間は22℃、2令幼虫~3令幼虫中期までは20℃、3令中期以降は22℃で管理することを基本とすること!特にセミ化は絶対に避けること!
- エサ交換は1回/3か月を厳守すること!
- 脱皮をしている際は、エサの交換やボトルを触らずにしばらく様子を見ること!
- 幼虫飼育を始める前に「飼育ボトル」「飼育マット」「菌糸ボトル」を準備しよう!
盛りだくさんな内容になりますが、順を追って丁寧に説明していきますので、頑張ってついてきてください。それでは、詳しい説明に入りましょう!
~目次~
クワガタの幼虫とは

クワガタの幼虫は、成虫になる前の成長段階にある昆虫です。クワガタムシは、特に日本では人気のある昆虫で、その幼虫は土や朽ち木の中で生活し、成虫に成長するために必要な栄養を蓄えます。幼虫は、特に湿度や温度に敏感であり、適切な環境で育てることが重要です。クワガタの幼虫は、通常、白色から淡い黄色をしており、体形は太く、しっかりとした体を持っています。
幼虫は、成虫が生息する環境の中で食物連鎖の一部を担い、自然界において重要な役割を果たしています。彼らは腐った木や枯れ葉を食べることで、栄養を摂取し、成長のためのエネルギーを蓄えます。このため、幼虫を育てる際には、彼らの食性を理解し、それに基づいた飼育環境を整えることが求められます。
また、クワガタの幼虫は、観察するのが楽しい存在でもあります。彼らの成長過程を追いかけることで、昆虫の生態について学ぶ良い機会となります。特に、幼虫から成虫への変化は、自然の神秘を感じさせてくれる瞬間です。このように、クワガタの幼虫はただのペットではなく、飼い主にとって貴重な経験を提供してくれる存在なのです。
クワガタの幼虫のエサの種類
そもそも、何を食べるの?

クワガタの幼虫は自然界では白色腐朽菌(オオヒラタケ菌、ヒラタケ菌、カワラ菌)が繁殖した広葉樹木の中に産み落とされ、その木をエサとして食べながらすくすくと成長します。
広葉樹木はセルロース・ヘミセルロース・リグニンを主成分としており、幼虫はセルロースとヘミセルロースを腸内細菌を用いてグルコースに分解することで成長していきます。
リグニンはセルロースやヘミセルロースの周りにまとわりついて、接着剤のような役割を果たしているのですが、幼虫にとっては栄養がない成分です。そこで活躍するのは「白色腐朽菌」です。
白色腐朽菌は自然界の中では、唯一リグニンを分解できる菌であるため、クワガタの幼虫はこの白色腐朽菌の力を借りながら消化吸収しているんですね。


クワガタの幼虫は、基本的に白色腐朽菌が繁殖した広葉樹木をエサとして成長しますが、種類によって幼虫が持つ腸内細菌の強さ(消化吸収能力の高さ)が異なります。
例えば、ミヤマクワガタ系は一般的に食性が弱い種類です。そのため、白色腐朽菌が普及しきっていないようなエサは食べることができません。簡単に言えば、木の形を保ったようなエサは消化吸収できないです。そのため、木の原型をとどめていないようなマット状になったエサを与えることが基本です。
一方で、オオクワガタ系は一般的に食性が強い種類です。そのため、白色腐朽菌が普及しきっていないようなエサでも消化吸収することができます。そのため、木の原型をとどめているものから、マット状のものまで、何でも消化吸収することができます。
食性の強さをざっくりと分けると、下の表のようになります。幼虫を飼育する際は、幼虫の食性に応じて、エサを選んであげることが重要になります。
食性「弱」 | 食性「中」 | 食性「強」 |
ミヤマ系 | ノコギリ系 | オオクワ系 |
フタマタ系 | ヒラタ系 | コクワガタ系 |
市販されている幼虫のエサ
クワガタの幼虫管理の重要なポイント
幼虫の食性に合ったエサを選ぶこと

クワガタを飼育している誰しもが目指しているのは、いかに大きなクワガタを育てるか!だと思います。
その時に重要になるのが、幼虫の食性に合ったエサを選ぶことです。
幼虫の食性の強さとは、エサの消化吸収能力が高いかどうかの指標です。
例えば、国産オオクワガタの幼虫を育てることを考えます。オオクワガタは食性が強いため、菌糸ボトル・幼虫飼育マットいずれでも飼育可能なのですが、上の図を見ていただく通り、「菌糸ボトル飼育」と「幼虫飼育マット飼育」を比較すると幼虫の成長度合いは全く異なっていることがわかります。
この原因をわかりやすく説明すると、オオクワガタはせっかく菌糸という”大人の食事”ができるのに、幼虫飼育マットという”離乳食”を食べ続けてしまったことが原因と説明できます。
この結果が示す通り、クワガタを大きく成長させるためには、正しいエサを与えることが重要になります。クワガタの種類ごとの「食性」「水晶のエサ」をまとめると、下の表のようになります。
オオクワガタ系 | コクワガタ系 | ヒラタ系 | ノコギリ系 | ミヤマ系 | |
食性 | 強 | 強~中 | 中 | 中 | 弱 |
推奨のエサ | 菌糸ボトル | 菌糸ボトル or マット | 菌糸ボトル or マット | 菌糸ボトル or マット | マット |
特に、初心者にとって難しいのが「最適な菌糸ボトルの選び方」だと思います。こちらに関しては、下の記事で丁寧に説明しておりますので、参考にしてください。
-
-
【初心者必見】ブリーダーが教えるクワガタの菌糸ボトルの選び方とおすすめ商品!
2025/1/9
そのような方に向けて、クワガタの基本的な菌糸ボトルの選び方について、詳しく解説いたします。 私は常時クワガタを8種類、幼虫を100頭以上飼育しており、日々クワガタのブリード経験を積んでおりますので、安 ...
温度管理を徹底すること

幼虫の成長は、温度によって大きく影響を受けます。まずは、絶対に避けたい”早期羽化”と”セミ化”について説明します。
早期羽化とは、管理温度を高くしすぎたあまり、幼虫が活発に動きすぎてしまい、最大体重に乗る前に羽化してしまうことです。早期羽化した個体は、エサをじっくりと食べれずに羽化してしまっているため、成虫のサイズが小さくなる特徴があります。
一方で、セミ化とは、温度を低くしすぎてしまい、幼虫の活性が鈍くなりすぎて、全然羽化しないことです。
幼虫期間は温度の積算値によって決まります。つまり、温度を高く維持し続ければ幼虫期間は短くなりますし、温度を低く維持し続ければ幼虫期間は長くなります。
特に避けなければいけないのが”セミ化”です。幼虫がセミ化すると、最悪の場合、幼虫のまま生涯を終えてしまいます。
そのため、基本的には1令幼虫期間は22℃程度で管理をし、幼虫の活性を上げつつしっかりとエサを食べてもらいます。その後、2令幼虫になったら20℃程度で管理をし、幼虫の活性を落として幼虫期間を引っ張りながらエサをじっくりと食べてもらいます。その後、3令幼虫の中期からは温度を上げて、幼虫の活性を高めて羽化を促します。
この温度管理方法であれば、早期羽化・セミ化を避けながら幼虫管理が可能です。ただし、この考え方はあくまでも基本的な考え方であり、当然それぞれの生体の個性によって多少の微調整は必要になります。
温度管理の微調整をしながら、大型個体を目指すのも、ブリードの醍醐味です。
エサの交換頻度は1回/3か月厳守!


定期的なエサ交換は、幼虫の飼育環境を維持するために非常に重要になります。幼虫のエサ交換の手間を省くために、幼虫のサイズが小さい内から大きなボトルで飼育すると、幼虫がエサを食べきれずに「菌糸」もしくは「幼虫飼育マット」が著しく劣化します。菌糸やマットが劣化すると、粘菌(幼虫が食べると亡くなる菌)が発生したり、ダニや雑虫が湧き、幼虫を傷つける恐れがありますので、注意が必要です。
「菌糸」「幼虫飼育マット」いずれにおいても、賞味期限は3か月です。そのため、3か月で幼虫がちょうど食べきれるサイズのボトルサイズを選ぶことが重要ですし、定期的にエサ交換をすることも重要です。
クワガタの幼虫の脱皮について

クワガタの幼虫にとって、脱皮は成長の重要なプロセスです。幼虫は、成長するために数回の脱皮を経て、最終的に蛹へと移行します。脱皮の際、幼虫は外皮を脱ぎ捨て、新しい体を成長させるための準備を行います。このプロセスは、幼虫にとって非常にデリケートな時期であり、注意深く見守る必要があります。
脱皮前の幼虫は、通常よりも活発に動くことが多くなります。この時期は、体が柔らかくなっているため、外的な刺激やストレスに敏感です。また、脱皮後は体が乾燥するまでの間、外部からの影響を受けやすいため、周囲の環境を整えておくことが重要です。脱皮の際には、特に静かに見守り、余計な刺激を与えないようにしましょう。
脱皮は、成長において欠かせない過程であり、幼虫が健康に育つためには不可欠です。脱皮がうまくいかない場合、幼虫の成長が停滞したり、最悪の場合には命を落とすこともあります。このため、脱皮時の環境を適切に整え、幼虫が安心して脱皮できるよう配慮することが大切です。
幼虫管理に必要な飼育用品
その1:幼虫飼育ボトル
楽天なら送料がお得/
幼虫飼育ボトルは、楽天市場やAmazon、クワガタ専門店で購入できます!数匹の幼虫を飼育する場合はクワガタ専門店でお買い求めいただいても構いませんが、数十匹以上の幼虫を飼育される方は通販で購入することがおすすめです。なぜなら、持ち運びが大変だからです。
購入する際は、幼虫のサイズに合ったボトルを選ぶようにしましょう。もし、ボトルのサイズ選定に悩んでいる場合は下の記事が参考になりますので、是非ご覧ください。
-
-
【初心者必見】ブリーダーが教えるクワガタの幼虫のボトルサイズの選び方
2024/11/21
この記事をご覧になっている方は、無事クワガタの産卵に成功してこれから幼虫飼育を始める方、もしくは幼虫を購入してこれから幼虫飼育を始める方だと思います。 幼虫飼育を始める上で、必ずと言ってもいいほど悩む ...
その2:幼虫飼育マット
Amazonなら400円お得/
幼虫飼育マットは、楽天市場やAmazon、ホームセンター、クワガタ専門店で購入できます!必ずクワガタの幼虫専用のマットを購入するようにしましょう。カブトムシ専用のものはクワガタにとっては発酵が進みすぎたものが多く、適しておりません。
購入する際は、まずは、お近くのホームセンターやクワガタ専門店に行くようにしましょう。なぜなら、通販で購入すると送料が上乗せされてしまい、高価になってしまうからです。
お近くにホームセンターやクワガタ専門店がない方は、通販で購入することを検討しましょう。安価且つ品質が安定している商品は”月夜野きのこ園”さんが製造している「きのこMat」です。
その3:菌糸ボトル
品質間違いなし/
品質間違いなし/
品質間違いなし/
品質間違いなし/
菌糸ボトルは、楽天市場やAmazon、クワガタ専門店で購入できます!数匹の幼虫を飼育する場合はクワガタ専門店でお買い求めいただいても構いませんが、数十匹以上の幼虫を飼育される方は通販で購入することがおすすめです。なぜなら、持ち運びが大変だからです。
購入する際は、幼虫のサイズに合ったボトルを選ぶようにしましょう。もし、ボトルのサイズ選定に悩んでいる場合は下の記事が参考になりますので、是非ご覧ください。
-
-
【初心者必見】ブリーダーが教えるクワガタの幼虫のボトルサイズの選び方
2024/11/21
この記事をご覧になっている方は、無事クワガタの産卵に成功してこれから幼虫飼育を始める方、もしくは幼虫を購入してこれから幼虫飼育を始める方だと思います。 幼虫飼育を始める上で、必ずと言ってもいいほど悩む ...
また、菌糸ボトルには「オオヒラタケ」「ヒラタケ」「カワラタケ」の3種類があります。どれを選べば良いかわからない方は、下の記事を参考にしてください。
-
-
【初心者必見】ブリーダーが教えるクワガタの菌糸ボトルの選び方とおすすめ商品!
2025/1/9
そのような方に向けて、クワガタの基本的な菌糸ボトルの選び方について、詳しく解説いたします。 私は常時クワガタを8種類、幼虫を100頭以上飼育しており、日々クワガタのブリード経験を積んでおりますので、安 ...
まとめ
それでは、最後にこの記事のまとめを以下に記します。
まとめ
- ノコギリ系、ヒラタ系、オオクワ系、コクワ系、ミヤマ系それぞれの食性に合ったエサを選ぶこと!
- 食性に合わないエサを与えると、大型化は望めない!
- 温度管理は1令幼虫期間は22℃、2令幼虫~3令幼虫中期までは20℃、3令中期以降は22℃で管理することを基本とすること!特にセミ化は絶対に避けること!
- エサ交換は1回/3か月を厳守すること!
- 脱皮をしている際は、エサの交換やボトルを触らずにしばらく様子を見ること!
- 幼虫飼育を始める前に「飼育ボトル」「飼育マット」「菌糸ボトル」を準備しよう!
そのほか、私のブログではクワガタ飼育関連の様々な情報を発信しております。気になる方は、下の記事も併せてご覧ください。
-
-
【厳選】クワガタ飼育用のおすすめなエアコンはポータブルエアコンで決まり!
2024/12/26
そのような方に向けて、クワガタ飼育用のエアコンを紹介いたします。 私は常時クワガタを8種類、幼虫を100頭以上飼育しており、日々クワガタのブリード経験を積んでおりますので、安心して記事をご覧になってく ...
-
-
【厳選】クワガタ飼育の温度管理におすすめなツール3選!知らなきゃ絶対に後悔します
2025/1/23
そのような方に向けて、クワガタの温度管理におすすめなツールを6つ紹介いたします。 私は常時クワガタを8種類、幼虫を100頭以上飼育しており、日々クワガタのブリード経験を積んでおりますので、安心して記事 ...
-
-
【厳選】クワガタ飼育に超おすすめなワインセラー13選!ブリーダーが選び方まで徹底解説!
2025/1/11
そのような悩みを抱えている方に、今年我が家に初めてワインセラーを導入して後悔した経験を踏まえて、皆様に絶対にワインセラーを購入する前に「知っておくべき知識」や「選ぶべきワインセラーの種類」を示した上 ...
-
-
【厳選】クワガタ飼育におすすめなマット12選!ブリーダーが徹底解説します
2025/1/13
クワガタ飼育をする上で欠かせないアイテムが「産卵用マット」「成虫飼育マット」「幼虫飼育マット」などのマット類です。 たかがマットですが、選び方を間違えれば「思うような産卵数が確保できなかったり」「幼虫 ...
-
-
【必見】クワガタ飼育におすすめなゴム手袋はこれ!圧倒的な作業性とコスパ最強商品を見逃すな!
2024/12/2
クワガタ飼育をする上で、欠かせないアイテムはゴム手袋ですよね?たかがゴム手袋ですが、選び方を間違えれば、せっかく買ったゴム手袋が全く使い物にならず、結局新しいものを購入する羽目になります。私がその一 ...