菌糸ボトルがありすぎて、何を選べば良いかわからない...
何に注意して、菌糸ボトルを選べば良いの?
そのような方に向けて、クワガタの基本的な菌糸ボトルの選び方について、詳しく解説いたします。
私は常時クワガタを8種類、幼虫を100頭以上飼育しており、日々クワガタのブリード経験を積んでおりますので、安心して記事をご覧になってください。具体的な飼育種が気になる方は私のプロフィールをご覧ください。
この記事を最後までご覧いただいた方は、以下のことが理解できるようにしてります。
獲得知識
- 菌糸ボトル飼育が最適なクワガタの種類
- 菌糸ボトルの種類
- 菌糸ボトルの選び方
- おすすめ商品
盛りだくさんな内容になりますが、順を追って丁寧に説明していきますので、頑張ってついてきてください。それでは、説明に入りましょう。
菌糸ボトル飼育が最適なクワガタの種類
クワガタの幼虫は自然界では白色腐朽菌(オオヒラタケ菌、ヒラタケ菌、カワラ菌)が繁殖した広葉樹木の中に産み落とされ、その木をエサとして食べながらすくすくと成長します。
広葉樹木はセルロース・ヘミセルロース・リグニンを主成分としており、幼虫はセルロースとヘミセルロースを腸内細菌を用いてグルコースに分解することで成長していきます。
リグニンはセルロースやヘミセルロースの周りにまとわりついて、接着剤のような役割を果たしているのですが、幼虫にとっては栄養がない成分です。そこで活躍するのは「白色腐朽菌」です。
白色腐朽菌は自然界の中では、唯一リグニンを分解できる菌であるため、クワガタの幼虫はこの白色腐朽菌の力を借りながら消化吸収しているんですね。
クワガタの幼虫は、基本的に白色腐朽菌が繁殖した広葉樹木をエサとして成長しますが、種類によって幼虫が持つ腸内細菌の強さ(消化吸収能力の高さ)が異なります。
例えば、ミヤマクワガタ系は一般的に食性が弱い種類です。そのため、白色腐朽菌が普及しきっていないようなエサは食べることができません。簡単に言えば、木の形を保ったようなエサは消化吸収できないです。そのため、木の原型をとどめていないようなマット状になったエサを与えることが基本です。
一方で、オオクワガタ系は一般的に食性が強い種類です。そのため、白色腐朽菌が普及しきっていないようなエサでも消化吸収することができます。そのため、木の原型をとどめているものから、マット状のものまで、何でも消化吸収することができます。
食性の強さをざっくりと分けると、下の表のようになります。幼虫を飼育する際は、幼虫の食性に応じて、エサを選んであげることが重要になります。
食性「弱」 | 食性「中」 | 食性「強」 |
ミヤマ系 | ノコギリ系 | オオクワ系 |
フタマタ系 | ヒラタ系 | コクワガタ系 |
つまり、菌糸ボトル飼育が最適なクワガタは食性が「中」~「強」の種類になります。
菌糸ボトルの種類
菌糸の種類によって異なる
菌糸の種類には大きく3種類あります。
1つ目はオオヒラタケです。オオヒラタケは、菌の活性が高く、クワガタの幼虫の消化吸収を助ける働きが最も高い種類になります。そのため、食性が「中」程度のノコギリ系やヒラタ系に最適な菌糸であると言えます。
2つ目はヒラタケです。ヒラタケは、オオヒラタケと比べると菌の活性は低いです。そのため、食性が強いクワガタである「オオクワガタ系」や「大型血統のクワガタ」をじっくりと時間をかけて育てる時に向いている菌糸です。
3つ目はカワラタケです。一部のクワガタの種類には「カワラタケ菌糸」を好むものがいます。例えばオオゴンオニ系やツヤクワガタ系です。カワラタケ菌糸ボトルは、基本的にはこれらの種類に限定して使用します。
オガくずの種類によって異なる
菌糸ボトルは、幼虫の成長を最大限引き出すために、木くずに菌糸を普及させたものです。
この木くずを「オガ」と呼びます。このオガには3種類あります。
1つ目はクヌギです。クヌギは広葉樹木の中でも栄養価の高い樹木になります。そのため、市販されている菌糸ボトルの多くにはクヌギのオガが使用されています。
2つ目はコナラです。コナラは広葉樹木の中でも栄養価の高い樹木ですが、クヌギには劣ります。しかし、栄養価の違いは微々たるものであり、市販されている菌糸ボトルに使用されていることはありますが、クヌギよりは使用割合は少ない印象です。
3つ目はブナです。ブナは3種類の中で最も栄養価が低い樹木ですが、違いは微々たるものです。そのため、市販されている菌糸ボトルに良く使われております。
どのオガが最適なのかは難しい話ですが、クヌギを選ぶことが無難だと思います。なぜなら、栄養価が最も高いからです。
オガくずの荒さによって異なる
菌糸をまとわせているオガの荒さにも2種類あります。
1つ目は粗目です。粗目のオガは菌糸の普及が比較的遅いため、菌糸ボトルの劣化を遅らせることができるだけでなく、食性が強いクワガタである「オオクワガタ系」や「大型血統のクワガタ」をじっくりと時間をかけて育てる時に向いています。
2つ目は中目です。中目のオガは粗目のものよりも菌糸の普及速度が速いため、菌糸ボトルの劣化が比較的早くなります。一方で、菌糸が普及しやすい分、食性が「中」程度のノコギリ系やヒラタ系でも食べ進めやすいため、これらの種類を育てる場合に向いています。
菌糸ボトルの選び方
菌糸の種類・オガの荒さの選び方
カワラ | ヒラタケ | オオヒラタケ | |
オガ「中目」 | オオゴンオニ系、ツヤクワガタ系 | コクワガタ系、オオクワガタ系 | ノコギリ系、ヒラタケ系 |
オガ「粗目」 | オオゴンオニ系、ツヤクワガタ系 | オオクワガタ系、大型血統 | ヒラタ系 |
オガの種類では、幼虫の成長に大きな変化はないことを考えると「オガの荒さ」「菌糸の種類」が菌糸を選ぶための軸になります。
飼育種類ごとに最適な菌糸の種類を表に整理すると上のようになります。
例えば、国産ヒラタクワガタの幼虫を飼育したいのであれば、上の表から「オオヒラタケ菌糸のオガ中目 or 粗目」を選ぶという具合になります。
ボトルサイズの選び方
ボトルサイズは「羽化後の成虫の想定サイズ」と「幼虫の飼育段階」の2つを基準に最適なサイズを選ぶ必要があります。こちらに関しては、より詳細に説明している記事がありますので、下の記事をご覧ください。
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まとめ
それでは、最後にこの記事のまとめを以下に記します。
まとめ
- ノコギリ系、ヒラタ系、オオクワ系、コクワ系に菌糸ボトルを使用すること!
- 菌糸ボトルは「菌糸の種類」「オガの種類・荒さ」によって種類が様々!
- 飼育しているクワガタの種類に応じて「菌糸の種類」「オガの荒さ」を選択すること!
- 菌糸選びに迷ったらDDAの菌糸ボトルを選べ!
そのほか、私のブログではクワガタ飼育関連の様々な情報を発信しております。気になる方は、下の記事も併せてご覧ください。
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