事前知識

【初心者必見】クワガタ飼育を始める前に持つべき心構え5選!

 この記事をご覧になっている方は、これからクワガタ飼育を本格的に始めようと考えている方々だと思います。しかし、一旦立ち止まっていただき、自身がクワガタ飼育をする心構えが整っているかを考えましょう。この記事では、クワガタ飼育を始める前に持っておくべき心構えについて5つ紹介いたします。私は常時クワガタを6種類、幼虫を100頭以上飼育しており、日々クワガタのブリード経験を積んでおりますので、安心して記事をご覧になってください。具体的な飼育種が気になる方は私のプロフィールをご覧ください。

 さて、どのような心構えを持たなければいけないかというと、以下の5点です。

心構え

  1. 飼育環境を整える覚悟を持つこと!
  2. 飼育費用がかかる覚悟を持つこと!
  3. たとえ野外採集品でも、一度飼育し始めたら野外に再度逃がさないこと!
  4. 海外品のクワガタを逃がさないこと、また逃げるような環境で飼育しないこと!
  5. ずさんな管理をして、クワガタの寿命を縮めないこと!

これらはクワガタのみならず、生物を「飼育する方」や「これから飼育を始められる方」は当然意識していることですが、改めてそれぞれの”心構えの大事さ”について説明していきます。

用語の説明

 本題に入る前に、この記事には複数専門用語が出てきますので、それらについて事前に説明させていただきます。

用語の説明 その1

✓卵
 交尾が済んだクワガタの♀が産むものを指します。クワガタの一生の始まりは卵からになります。

用語の説明 その2

✓幼虫
 卵から孵化した後のクワガタの姿のことを指します。卵が産み落とされてから1か月程度経過すると、画像のようなかわいい幼虫が顔を出します。

用語の説明 その3

✓蛹
 幼虫が脱皮した後のクワガタの姿のことを指します。クワガタの幼虫期間は基本的には10か月程度ですが、長いものになると2年程度になるものもいます。蛹の期間はどのクワガタも同じで大体2か月弱です。

用語の説明 その4

✓成虫
 蛹が脱皮した後のクワガタの姿のことを指します。この姿は我々にとってなじみがある姿ですよね。成虫期間は長いもので2年以上となるものもいますが、ノコギリクワガタやミヤマクワガタは5か月程度となります。

用語の説明 その5

✓野外採集品
 野外採集品とは、自然界で採集したクワガタを指します。昆虫ショップに行けば、外国産のクワガタでも、野外で採集されたものが空輸されて販売されているものもあります。それも、野外採集品と呼びます。つまり、国内外問わず自然界で採集されたものはすべて、野外採集品と呼びます

用語の説明 その6

✓飼育品
 野外採集品と対になる言葉です。クワガタには野外採集品とは別に、飼育下でクワガタに卵を産ませて成虫まで飼育され、販売されていることがあります。つまり、卵から成虫になるまで、一度も自然界を経験したことがないクワガタとなります。これを飼育品と呼びます。

心構え5選

飼育環境を整える覚悟を持つこと!

クワガタ飼育専用のワインセラーの様子.

まずは、クワガタを飼育する前に、知っておいてほしいことは、クワガタを飼育するためには18℃~25℃の温度をキープした部屋を整えてあげなければいけないことです。種類によっては、20℃以下でないといけない等、クワガタ飼育にとって温度管理は非常に重要になります。つまり、クワガタ飼育者となるのであれば、エアコンやワインセラーを使って、クワガタが生存できる環境を整える覚悟が必要になります。もちろん、電気代もかかりますし、エアコンやワインセラーがなければ購入しなければいけません。それらは必要経費であると考えられるかどうかを一度立ち止まって考えてみてください。

飼育費用がかかる覚悟を持つこと!

ホペイオオクワガタの♂.

例えば、ホペイオオクワガタを飼育する場合を考えます。ポペイオオクワガタ一匹を一年間飼育することを考えます。その場合......

飼育用品 個数 値段
飼育ケース 1ケース 330円
飼育マット 3袋 2,250円
ゼリー 100個 2,500円
電気代 2,000円

となります。つまり、年間総額7,000円程度はかかります。これはあくまでも成虫を一年間飼育する費用になりますが、もし幼虫を多数飼育するとなると、さらに倍以上の費用がかかります。例えば100頭の幼虫を飼育する場合は......

飼育用品 個数 値段
飼育ボトル 100本 33,000円
飼育マット 6 袋 9,000円

となります。つまり、成虫と幼虫双方を飼育する場合は年間総額49,000円程度かかる計算となります。決して安くはないことがお分かりいただけたかと思います。どのような生物を飼育する場合でも同じですが、飼育費用が掛かる覚悟をもって、責任と愛情をもって飼育する必要があります

たとえ野外採集品でも、一度飼育し始めたら野外に再度逃がさないこと!

樹液に群がるクワガタの様子.

 クワガタ飼育者として心得ておかなければいけないことは、生態系を崩す恐れがあることは決してしないことです。その1つが、「一度採集したクワガタを再度野外に逃がさないこと」です。なぜなら、飼育したことにより、クワガタの遺伝子にどのような影響があるか良くわからないためです。飼育している環境は、野外の環境と限りなく近い状況を作っているだけであり、飼育品は野外採集品とは「食べているもの」も違えば「住んでいる環境」も異なります。もし、飼育したことによりクワガタの遺伝子情報が変異して、野外に逃がして繁殖した結果、日本の生態系が変化した場合は、日本でクワガタ飼育が継続できなくなる恐れがあります。そのため、日本の生態系維持のために、一度採集して飼育した成虫は、再度野外に逃がさない方がベストと考えております

海外品のクワガタを逃がさないこと、また逃げるような環境で飼育しないこと!

外国産の人気種であるギラファノコギリクワガタの様子.

 前述の通り、クワガタ飼育者として心得ておかなければいけないことは、生態系を崩す恐れがあることは決してしないことです。その最たる例が、外来生物を野外に逃がすことです。国内外のクワガタはクワガタ専門店以外にもオンラインショップで安価に販売されているため、他の生物よりも容易に手に入りやすく、飼育を始めやすいことが特徴です。その一方で、気軽に買ってしまったが故に、思ったよりも飼育費用がかかることにより飼育が困難となり、野外に逃がしてしまうリスクが考えられます。このようなことが絶対にないように、飼育費がかかることを覚悟にクワガタ飼育を初めていただきたいと思いますし、飼育が困難になったとしても海外品は決して逃がさないことを心得ておかなければいけません。

 前述の例は、非常にわかりやすいですが、誤って逃がしてしまうリスクもあります。まず1つ目は、飼育ケースから脱走して野外に逃げてしまうことです。クワガタの力は思ったよりも強いです。そのため、蓋のわずかな隙間に頭を押し込んで逃げることもあります。そのため、クワガタを飼育している部屋の窓は開けない等の対応をし、間違っても逃げないように努めましょう。もう一つは、使用済みの土を廃棄する際に幼虫を逃がしてしまうことです。特に孵化したての幼虫は非常に小さく、見つけづらいです。そのため、廃棄対象の土に見落とした幼虫がいることに気が付かずに野外に捨ててしまったら、日本の生態系を崩しかねません。よって、廃棄対象の土の処理方法は予めご自身が済んでいる自治体に確認し、万全な対応をするようにしましょう

ずさんな管理をして、クワガタの寿命を縮めないこと!

 クワガタ飼育には、「昆虫ゼリーの交換」「土の交換」「霧吹きによる土に水分調整」等の日々のお世話が必要になります。飼育数が増えれば増えるほど、その作業が増えていきます。それらのお世話がめんどくさい!といって怠ると、当然クワガタの寿命を縮めてしまいます。クワガタ飼育をする場合は、日々のお世話は継続して実施する覚悟を持つ必要があります

まとめ

それでは、最後にクワガタ飼育を始める前に持つべき心構えのポイントをまとめます。

心構え

  1. お金がかかったとしても、必要経費だと思って飼育環境を整える覚悟を持つこと!
  2. 飼育費用がかかる覚悟を持つこと!
  3. たとえ野外採集品でも、一度飼育し始めたら野外に再度逃がさないこと!
  4. 海外品のクワガタを逃がさないこと、また逃げるような環境で飼育しないこと!
  5. ずさんな管理をして、クワガタの寿命を縮めないこと!

これらの心構えが整えば、あとはクワガタ飼育を全力で楽しむのみです!次は、クワガタ飼育の基本について学べる記事を用意しておりますので、下記記事をご覧ください。

【必見】これを読めばクワガタ飼育方法のすべてわかる!ブリーダーのノウハウをすべて詰め込んだ完全ガイド

2024/12/2  

 この記事をご覧になっている方は、これからクワガタ飼育を始めることを検討している方、もしくクワガタ飼育を始めて間もない方だと思います。この記事ではそのような方々に向けて、「そもそもクワガタはどのような ...

-事前知識